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オススメの本 「なぜか美人に見える人は髪が違う」
こんにちは。アンツの松竹です。
先日知人に教えてもらった本。「なぜか美人に見える人は髪が違う」
を読みました。
一言で言うと・・・
素晴らしい!!!
同業者でありながらこんなに繊細に美と向き合い表現されていて、すごい方だなぁと感動しました。
美容師さんだけでなく、と言うか、美容師さん以外の方向けにもわかりやすく解説されていて
読み応えがありました。
とっても言葉の使い方が柔らかくて、それでいてしっかりロジカルだったり、語彙の少ない僕には到底出てこない表現があったり、
素敵な美容師さんだなと思いました。
美容師それぞれに、美容に対する想いや理念や理論などがありますが、こうして文字にすることって一般の美容師さんではなかなかないこと。
僕もだいぶ前にはなってしまいますが、雑誌の連載などをちょっとだけやらせていただいたこともあるんですが、
想いをまとめるって、結構素っ裸にされる感じもあって、いい意味で「俺ってまだまだだなぁ・・・」と気づかされることもありました。
自分の思いをこうして文字にしてまとめるのってとても価値あることですね。
著者の津村さんとは、残念ながら面識はありませんが、一度お会いしてお話伺えたらなって思いました。
僕のこの仕事を始めたきっかけは両親が床屋さんだったってところが大きいです。
もう70歳過ぎてますが、長崎の片田舎で夫婦仲良く?!まだまだ現役で頑張ってます。
父がカットが得意で、地元では有名と本人は言ってますが笑
技術的なことは全く知らない僕からみても、かっちょえ〜!って思ってました。
ちょっとでも髪が伸びると、
「やっすん、座れ」
と言って僕を椅子に座らせて、シャキシャキカットしてくれてました。
シャンプーもちょっと手荒ですが、、、前かがみの前シャンで、起こしてもらった時にはぷハァ〜ってなります。
ちょっとした我慢の時間。。。その後にサッと出してくれる蒸しタオル!!これがまた気持ちよくて匂いがよくって。。
今でもそのコロンの匂いは父と母には染み付いてて、その匂いを嗅ぐとホッとします。
でも、一つだけ父のカットで苦手なことがありました。
それは、ビシッと短くしちゃうことです笑
小学校まではそれで良かったし、気にもしていませんでしたが、中学入ってちょっと洒落っ気づいてくると伸ばしたくなりません??
男性の皆さんなら誰でも経験あると思うんです。
でも
「やっすん、座れ」
で、坊ちゃん刈りです。全校統一の坊ちゃん刈り。
そんなある日、ちょっと髪が伸びてきたな〜って時にこっそり母に相談。
「お母さん、お父さんに切ってもらったら短こうなっとさ。もうちょっとこげん感じでしたかとけどなんて言えばよかと?」
「あらぁ、そうね。お父さんカットは上手かとよ。どげん髪にしたかとね。」
「ほらこげん感じさ、後ろにもうちょっと厚みのある感じのさ、ボブって書いてあるばい」
「こげんとはお父さんは切らんばい。長か!っていうやろうけん。お母さんが切ってやろうか?」
「え?まじで?お父さん怒らんかなぁ。」
「怒られたらまたお父さんに切ってもらえばよかたい。」
「そうね、じゃカットして。」
って流れで、カットしてもらうことに。
母は一つ一つ丁寧に確認しながら切ってくれました。
30分以上かかったかなぁ。。父のカットの何倍も時間をかけて切ってくれました。
仕上がりは・・・サイコー!!!!!思ったとうりだ〜!!お母さん大好き〜!
なんだなんだ?!俺の頭でもできるじゃん!!!できないかと思った!
そんな感じでめっちゃ興奮してる時に、お店のドアが開きました。
そこに仁王立ちしているのは父。。。。
やばい。やられる・・・!!
すかさず父は近寄ってきて舐め回すように母の作品(僕のボブ頭)を見回し、一言
「おかしか。」
で、その後またあの言葉が・・
「やっすん。座れ」
はい。元どうりに修正されてしまいました。。泣
でも次にカットしてもらう時も母にこっそりお願いしては
「やっすん。座れ」
でも3回くらい繰り返すと流石に
「ふ〜ん」
といってスルーしてくれるようになりました!
めでたく目指している髪型になった中学2年生の僕。
毎朝シャンプーしてはブローして毎日バッチリ決めて登校。
その頃からこの業界に興味を持ち、自分のこの経験や、コンテストなどに出てみたい!と考えるようになり
この仕事に就こうと決めました。
これが自分の技術者としての原点になりました。
「ヘアスタイルを提供するのではなく、言葉にされない想いを形にする。」
小さい頃からずーっと通い続けてお越しいただいているお客様。
小学校から髪切ってた子が結婚して子供がいるんです。
ほんと幸せ。たくさんのお客様と心根の優しいキャストに囲まれてほんと恵まれてます。
皆さんほんとに
いつもありがとう。
またまた長くなっちゃいました笑
最後まで読んでいただいてありがとうございます。
松竹